PBC[Petit]で活動中のLunaのブログです。
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お買い物をするにはあいにくの天気な日でしたけど、授業が終わって寮の門限までまだしばらく時間があったので、今年新調したばかりの傘を持ってお散歩に出てみました。
途中で雨がすうっと引いたので、傘の水をハンカチでぬぐって閉じたところに…足元にコロコロと、赤い琳檎が転がってくる事件が起きました。
どちらかのお店から転がって来たのかしら、なんて探偵気分で拾い上げたら、知らない男の人の声が聞こえてきます。
どうやら、琳檎はその方のものだったみたい。お買い物袋にうんとこさ果物を詰め込んでいらして、そのてっぺんから転がり落ちたんだそうです。
琳檎の持ち主のお名前はギガトールさん。こんなに背の高いひとはいつぶりに拝見するかしら、というくらい大きなおじさまでした。
琳檎をお渡しすると、お礼にお辞儀をしてくだすったのですけど、その時にまた琳檎がもう一個コロコロと落ちていってしまいました。
そんな様子を面白そうに見ていたひともいらっしゃいました。学院のレイン先生です。
わたしはこちらの学院には入りたてですし、お恥ずかしながらそんなに勉強ができるわけでもないので、レイン先生の授業はとっていないのですけど、よく目立つかたですから覚えていました。
先月には読書会でご一緒していただいたりもしましたし。
そうしていたら、ギガトールさんも実はそのときの読書会にいらしていたのだとお聞きして、すっかり覚えていなかったわたしはあたふたすることになってしまいました。
恥ずかしがり屋のおじさまは、どうやらひっそりと参加されていただけということでした。
そういえば、わたしもギガトールさんがお名前や本の紹介をなさっていたのは覚えていなかったものですから…あらためて、この場でお名前を交換させていただきました。
大人の男のかたに自己紹介するのは、やっぱり緊張します。
そうでした、そしてギガトールさんの二個目の琳檎がどうなったかというと、実はもうひとりこの場に偶然立ち寄った女の子の足元に転がっていったんです。
琳檎の持ち主を探す軽やかな声が聞こえました。聞き覚えのある声です、その主はなんと、学院のお友だちのキアラちゃんでした!
その琳檎にそっくりな赤い傘を持っていたキアラちゃんは、ちょうど授業が終わって学院からおうちに帰る途中だったようです。
そういえば、キアラちゃんはご自宅から学院に通っているんです。なので放課の時間にこうやって街でお会いするのは珍しいことでした。
キアラちゃんには自慢のお姉さまがいらっしゃるそうで、いつかご紹介くださると…緊張するけれど、とっても楽しみです。
キアラちゃんがあんなに大好きなお姉さまですから、きっと素敵な女性に違いありません。わたしにとっても憧れのかたとなってくださるでしょうか。
そういえば、そのキアラちゃんと言えば金色から鮮やかな青緑へのグラデーションという、とっても素敵でふしぎな髪の色をしていらっしゃるんですけど、これは染めているのではなく遺伝で、ご親族みなさんがそうなんだとか。
レイン先生や、ギガトールさんのような真っ黒の髪にも憧れるけれど、わたしも女の子ですから、やっぱりキアラちゃんのような髪を羨ましく思います。
そんなお話をしていたら、あっという間に時間が過ぎてしまって、ギガトールさんは焼き琳檎のおやつを作るためにもうお戻りになるということで、わたしも続くかたちで寮へ戻ることにしました。
別れ際、ギガトールさんからいただいた琳檎は、寮に戻っていただきました。お隣の部屋のお友だちがかわいいうさぎさんにカットしてくれて、食べるのがもったいなかったのは内緒です。
レイン先生とキアラちゃんも、そのあとおふたりでおやつを食べにいかれたようです。
ふたりはいったいなにを召し上がったのかしら?
今度学院で会ったら、聞いてみたいと思います。
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